ベトナムの給与計算・社会保険を正しく行ううえで、最低賃金と社会保険料の上限(キャップ)は非常に重要な基準です。
特に最低賃金は、毎年改定される可能性があり、給与設計や社会保険計算に直接影響します。
本記事では、2026年時点の最低賃金制度と社会保険上限の仕組みを、日本企業向けにわかりやすく解説します。
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目次
ベトナムの最低賃金とは?
ベトナムの最低賃金は、地域別最低賃金(Region-based Minimum Wage)として定められており、
企業は従業員に対して最低賃金以上の給与を支払う義務があります。
最低賃金は、給与額だけでなく、社会保険計算の下限としても使用される点が重要です。
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2026年の地域別最低賃金(参考)
最低賃金は地域(Region I~IV)ごとに設定されています。
※ 実際の金額は政府発表により変更される可能性があるため、必ず最新情報を確認してください。
| 地域 | 主な対象エリア | 最低賃金(月額) | 最低賃金(時間給) |
|---|---|---|---|
| Region I | ホーチミン市中心部、ハノイ中心部 など | 5,310,000 VND | 25,500 VND |
| Region II | ホーチミン市郊外、ハノイ郊外 など | 4,730,000 VND | 22,700 VND |
| Region III | 地方主要都市 | 4,140,000 VND | 20,000 VND |
| Region IV | 地方エリア | 3,700,000 VND | 17,800 VND |
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最低賃金が影響する主なポイント
- 基本給の下限設定
- 社会保険計算の下限
- 残業代・手当設計
- 労働契約書の賃金条項
👉 給与設計の全体像については「 給与計算の基本ルール 」をあわせてご確認ください。
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社会保険料の上限(キャップ)とは?
ベトナムの社会保険(SI / HI)には、保険料計算の上限額(キャップ)が設定されています。
これは、給与が高額であっても、一定額までしか保険料計算に使用されない仕組みです。
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社会保険上限の考え方
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 社会保険(SI) | 最低賃金 × 20倍 |
| 健康保険(HI) | 最低賃金 × 20倍 |
※ 上限額は最低賃金の改定に連動して変動します。
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最低賃金改定時の注意点(2026年)
- 基本給が最低賃金を下回っていないか確認
- 社会保険の下限・上限を再計算
- 給与計算ロジックの修正
- 労働契約書・社内規程の見直し
👉 社会保険計算の詳細は「 社会保険加入の基準と計算方法 」で詳しく解説しています。
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日本企業がよく間違えるポイント
- 最低賃金を「基本給」ではなく総支給額で判断してしまう
- 最低賃金改定後も社会保険上限を更新していない
- 地域区分の誤認
具体的な失敗例は「 ベトナムでの給与計算で日本企業がつまずくポイント 」も参考にしてください。
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最低賃金・社会保険を正しく管理するために
最低賃金と社会保険上限は、
- 給与計算
- 控除(SI / HI / UI / PIT)
- 労働契約
- 法改正対応
すべてに影響する重要項目です。
ESTでは、最低賃金改定・社会保険上限の変更にも対応した給与計算・人事労務管理を一元化できます。
👉 あわせて「 控除(SI / HI / UI / PIT)の仕組み 」もご確認ください。


