ベトナムの給与計算では、社会保険(SI / HI / UI)と個人所得税(PIT)という複数の控除が段階的に差し引かれます。
これらの仕組みを正しく理解していないと、手取り額の誤計算・法令違反・税務リスクにつながります。
本記事では、控除の種類・対象・計算順序(フロー)を、実務目線でわかりやすく整理します。
目次
ベトナム給与計算における「控除」の全体構造
ベトナムの給与計算は、以下の4つの控除を段階的に処理します。
- 社会保険(SI:Social Insurance)
- 健康保険(HI:Health Insurance)
- 失業保険(UI:Unemployment Insurance)
- 個人所得税(PIT:Personal Income Tax)
👉 社会保険 → 税金の順で計算される点が重要です。
① 社会保険(SI / HI / UI)の仕組み
社会保険は、給与額に対して一定の料率を掛けて計算され、
従業員本人負担分と企業負担分に分かれます。
※ 社会保険の加入基準や詳細は、
「社会保険加入の基準と計算方法」もあわせてご確認ください。
従業員本人の社会保険控除率
| 項目 | 料率 |
|---|---|
| 社会保険(SI) | 8% |
| 健康保険(HI) | 1.5% |
| 失業保険(UI) | 1% |
| 合計 | 10.5% |
② 社会保険の計算対象となる給与範囲
社会保険は、すべての支給額が対象になるわけではありません。
含まれる賃金
- 基本給
- 職務・責任手当
- 役職手当
- 固定的に支払われる手当
含まれない賃金
- 昼食手当(一定条件下)
- 通勤手当
- 不定期ボーナス
- Tetボーナス(賞与)
③ 個人所得税(PIT)の仕組み
PITは、社会保険控除後の課税所得をベースに計算されます。
計算の流れは以下の通りです。
- 総支給額を算出
- 社会保険(SI / HI / UI)を控除
- 各種控除(基礎控除・扶養控除)を差し引く
- 課税所得に累進税率を適用
④ 控除の計算フロー(全体像)
給与計算における控除フローは、以下の順序で進みます。
- 総支給額(Gross Salary)
- 社会保険控除(SI / HI / UI)
- 課税所得の確定
- PIT(個人所得税)の計算
- 手取り額(Net Salary)
👉 「PITは最後に計算される」点が最大のポイントです。
よくある間違い・注意点
- 社会保険とPITを同時に計算してしまう
- 社会保険の対象外手当を含めてしまう
- 外国人従業員にUIを適用してしまう
- 法改正後の料率を反映していない
給与計算・控除管理を正確に行うために
控除計算は、
- 給与項目の設計
- 社会保険ルール
- 税制改正
が密接に関係するため、Excelでの管理には限界があります。
ESTでは、ベトナムの給与計算・控除・社会保険・PITを一元管理し、法改正にも対応した人事労務管理を実現できます。
👉 あわせて「給与計算の基本ルール」もご確認ください。


